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ぽかぽか通信~川崎区地域保健福祉かわら版~

年代問わず気軽に伸び伸びと過ごせる「共育ひろば」(川崎区鋼管通)

決まったプログラムがなく自由に活動できる地域サロン

2017/01/19

共育ひろばの1階はおしゃべりをしたり、自由な時間を過ごすサロン
共育ひろばの1階はおしゃべりをしたり、自由な時間を過ごすサロン
平成28年(2016年)12月、地域サロン「共育ひろば」を主宰する牧岡英夫さんにインタビューさせていただきました。昔住んでいた自宅を改造し、子供から高齢者まで気軽に立ち寄れる居場所「共育ひろば」を開設されました。地域の福祉活動やボランティア活動の講師としても活躍されています。人と人との繋がりから活動が広がり、あるがままに自然体でやっていくことが大切と語る牧岡さんに活動の経緯や課題などについてお話をお聞きしました。
プロフィール
牧岡 英夫(まきおか ひでお)さん

共育ひろば(川崎区鋼管通)主宰。
昭和27年(1952年)生まれ。元川崎愛泉ホーム職員。1975年から2003年まで隣保施設「川崎愛泉ホーム」でコミュニテイワーカーとして、母と乳児の自主保育活動、学童保育、小学生・中学生のサークル活動などで、障害児と一般児童がともに過ごす活動を経験。愛泉ホーム退職後、「共育ひろば」を川崎区内に立上げ、学童保育を軸に拠点を活用しながら高齢者の居場所としても機能させるなど、現在も地域福祉の分野で活動中。

「もっと気楽に立ち寄れる場所があったらいいな」から始まった「共育ひろば」

手作りの看板がお招きする共育ひろば
手作りの看板がお招きする共育ひろば
隣保施設在職中に「もっと気楽に立ち寄れる場所があったらいいな」の声を聞き、牧岡さんはショックを受けたそうです。勤務していた施設はそんな気軽な施設だと思っていたからです。退職後に地域サロン「共育ひろば」を開設しました。場所は子供のころ住んでいた住宅街の中の一軒家。隣保施設に来ていた子供たちが成長し大工となった3人が改造してくれました。
壁を取り払い、見通しの良い広い部屋にし、2階には手作りの室内ブランコがゆらゆら揺れています。「共育ひろば」という名前は、彼らの言葉からヒントをもらいました。テーブルから音楽の機器まですべて寄付。蛍光灯の色もバラバラ。自分の家のような気取らない居場所ができあがりました。
川崎愛泉ホームが廃止、養護施設や保育園に転換となり、ミニデイサービスなどの事業は廃止となりました。介護保険に該当しない人たちが紹介されてくるなど、人数が増えたときもありますが、今は“水曜サロン”に12・3人の高齢者が集まります。

子供から高齢者まで気軽にふらっと立ち寄れる居場所

共育ひろばの2階は子供たちの勉強と遊びの場
共育ひろばの2階は子供たちの勉強と遊びの場

「ただいま、お帰り」の声が聞こえる大きな家

高齢者や子供たちが集う地域サロン「共育ひろば」の特徴は自然体。決められたプログラムはありません。1階は高齢者サロン、2階は子供たちの勉強と遊びの場となっています。小中学生にわかることの楽しさをお互いに学びあう学習セミナーや高齢者向けの水曜サロンが開催されています。
ときには、地域ボランティアを目指す人を育成する体験の場としても活用されています。子供たちが自主的に考えて高齢者の誕生日を祝ったり、近所の人たちも参加して餅つきをやったりと、子供たちが“ただいま”と帰って来て高齢者が“お帰り”と出迎える、地域の中で大きな家族が暮らす家のような存在になっています。

自然な気遣いの中で自由にのびのびと活動

お昼の食事会では誕生パーティが行われることも
お昼の食事会では誕生パーティが行われることも
高齢者向けの水曜サロンも特定のアクティビティはありません。好きなときに来て、おしゃべりをしたり、音楽を聞いたり、食事を作って食べたりと自由な時間を過ごしています。利用料金も最初はすべて100円でしたが、牧岡さんが講演で水曜日を留守にしていた間に、ここを残したいという皆さんの総意で、昼食ありは400円に決まっていたそうです。お世話する/されるの関係でなく、サロンの一員として皆さんが利用されていることが良くわかるエピソードをお聞きして感銘を受けました。

1週間に1回来られるのが楽しい、来てよかった 会話がはずむ水曜サロン

土鍋炊きのご飯とおいしい料理が並ぶ
土鍋炊きのご飯とおいしい料理が並ぶ
自宅でのんびりしているように気兼ねなく過ごせる「共育ひろば」。午前11時になると昼食の準備が始まり、1階サロンはいろいろな会話に加えて、料理の話と調理の音が重なり賑やかさを増します。
「毎週来ています。休んだことはありません。献立は聞いていないけれども楽しみね。足が痛くて大変だけれども来てよかった。家で座って小物を作って、持ってきて見せています。猫も座布団も作ったのよ。私が作った切り絵も見てね」
高齢者同士、また、サポートしているスタッフの皆さんとの会話と、いろいろな楽しいお話が進む水曜サロンのひと時でした。

専門家、地域、行政の連携に期待

近所の人の助けがありがたかった、人と人との繋がりから活動が広がり、あるがままに自然体でやっていくことが大切と語る牧岡さんに課題と今後についてお聞きました。

認知症には専門的なケアが必要で、「共育ひろば」では日常的な支援ができず、危機感を感じています。また、家族の有無にかかわりなく、町の中で「こっそり」している人がいる。そのような発信しない人々に、いろいろな支援をどのようにして届けるかのが良いかが一番意識している課題です。専門家が“つなぐ”、民生委員や地域の気が付いた人たちが“つなぐ”。この二つの“つなぐ”が連携すれば、もっと具体的な支援ができるでしょう。市も区も動き始めていて、実験的な試みが行われています。2・3年の間に効果が出てくると期待しています。

自然体であるがままにやっていくことが大切

福祉施設の職員から立場が逆になってわかったことが沢山あります。地域活動は続けることが大切で毎年ステップアップできるものではないと感じました。ゆったりと毎日毎回同じ形でやっていって、思いついたことをやれば良いのではないでしょうか。

51歳のときに退職して始めた「共育ひろば」。10年以上、好きでやってきました。地域福祉を担うボランティアの人たちには頑張って活動を続けるように言ってきましたが、もし誰かが手をあげてくれれば、その人に委ねても良いかなと思っています

最後に

牧岡さんとお話して自然体が人柄の基本で、周りの人々と共感しながら行動されているのが実感できました。子供のころは山歩きや田舎の自然の中にいつまでも一人でいても平気な子だったそうです。そのころから山の自然のリズムを吸収して行ったのかもしれません。

「共育ひろば」では子供たちの声がうるさいと言われるのではないかと恐れていたそうです。近所からは子供の声が良いと言ってくれ、いろいろな手伝いもしていただけたそうです。子供のころから近所と顔見知りということもあるでしょうが、町内の福祉活動にも積極的に参加し、人と地域の輪を大切にされてきた結果だと思います。

「好きでやっている。こうしてやっているのも健康だからありがたい」という言葉が人生の究極のゴールと感銘しました。「きょういく(今日行くところがある)」と「きょうよう(今日用がある)」がある人たちの場「共育ひろば」が続き、そのような場を創り出す地域福祉活動に活躍されることをお祈りしています。