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ぽかぽか通信~川崎区地域保健福祉かわら版~

かわさき障害者福祉施設たじま

地域包括ケアを担う新しいタイプの地域拠点型事業所

田島地区に昨年平成28年4月にオープンした「かわさき障害者福祉施設たじま」。障害を持つ方の自立を助ける支援を行う日中活動をはじめとし、泊まることのできる短期入所、子どもの一時あずかり、地域の方の相談窓口である、たじま家庭支援センターがあります。
たじま家庭支援センターでは、児童・障害・高齢者・国籍の違い等に関わらず相談を受け、関係する専門機関や地域と連携して支援を行っています。その他、こども食堂、たじま祭りなど、昨年度は800名近い利用がありました。
立ち上げの経過、事業内容、課題などについてお話をお聞きました。

立ち上げの経過 ~主体的に生活できることを目標に~

ボランティア活動スペース
ボランティア活動スペース
「かわさき障害者福祉施設たじま」はオープンして2年目という新しい事業所であり、地域の拠点と位置付けられています。対象となる人々は幅広く、また、地域やいろいろな機関との連携が求められます。開設まで大変なご苦労があったことと思われます。田中施設長に立ち上げの経過についてお話しをお聞きしました。

平成25年4月に地域拠点型の障害者福祉サービス事業の公募があり、法人として従来から地域生活支援を進めていたこともあり、応募させていただきました。
障害のある方もない方も共生できる社会にしようということを立上時の方針としました。東京を含む約20施設を調査させていただき、具体的な事業計画を進めました。川崎区の田島地区には子ども文化センターや老人いこいの家、障害者教育を担う田島支援学校もあります。地域福祉活動をされている団体や個人の方も多く、近隣の町内会の方々も理解が深く、福祉が必要な方が暮らしやすい地域にしようという活気があり、障害を持った方の支援事業所を作ろうということになりました。昨年の平成28年4月にやっとオープンできたというところです。
障害者施設というと、内部が見えないことで不安を感じる、理解が得られにくいこともありますが、この施設はガラス張りで見通しが良く、一般の方も障害のある方も利用しやすい建物として設計させていただきました。地域の皆さんと交流を重ね、敬老会、食事会などのいろいろな地域の行事にも顔を出したり、施設として地域のお祭りに参加したりして、少しでも顔の見える関係作りを心がけています。
就学児から大人の方までを対象とした事業所が多い中、就学前の乳幼児から高齢者までを対象としています。通所の生活介護については、高校卒業後の進路先の事業所が不足しており、在学中のご本人やご家族の要望があり80名規模の施設を作らせていただきました。お子さんの日中一時預かりは川崎市ではたじま家庭支援センターのみということで評価をいただいています。どんな障害があっても主体的に地域の中で社会に参加し、やりがいと生きがいを持って生活できることを目標にさせていただいています。

事業内容 ~地域のすべての人々を対象に~

ひろびろとしたラウンジ
ひろびろとしたラウンジ

地域の総合相談窓口「たじま家庭支援センター」

江良センター長に「たじま家庭支援センター」の概要をお聞きました。

家庭をキーワードに総合的な生活相談を受ける

地域の総合相談窓口として相談支援と地域交流を行うのが「たじま家庭支援センター」です。ご家庭内のすべての方を対象に"ワンストップ"でご相談を承り、関係機関と連携し、地域での暮らしを支援します。いわば、一緒に伴走しながら橋渡しをさせていただくことを心がけています。事業を受託できた平成25年から、顔の見える環境を作っていこうと支援者と専門職でサービスをどのように組み立てていくのか検討してきました。高齢者からお子さん、障害のある方を含めた、ご家庭の全ての方々に対応したいという経緯から、「家庭」と言うキーワードを入れました。これまでは、お子さん、高齢者、障害者、外国籍などと対応が縦割りに分かれており、一つの家を訪問したとしても積極的な相談に繋がってきませんでした。また、「家庭センター」ですと言って訪問すると結構すんなりと受け入れてくださります。
相談は無料で、事前に了承が得られれば家庭訪問など地域に出て行ってご相談を受けています。当初は子どもの相談が7割から8割でした。半年経った頃になってくると、障害者や高齢者の相談も多くなってきました。一番私どもで気をつけないといけないのは制度やサービスの狭間にある方々です。関係機関とネットワークをうまく組んで、支援を受けられない方がないようにしたいと思っています。

共生食堂を目指す「子ども食堂」

昨年平成28年8月から月1回「子ども食堂」を始めました。子どもの居場所をどう作っていくかというところが出発点でした。ご家庭の都合や長期の夏休みなどで子どもだけで食事をしている家庭が結構多いのです。自分たちで調理をし、みんなで楽しく食事ができる場所を作ることも、子ども食堂を始めるにあたっての目的の一つでした。地域交流スペースを利用いただいている団体や地域のサポーターの方にメニューや調理もご協力いただいています。また、サポーターの方と一緒に食事をとってもらうことで大人と話す機会も設けることができました。最終的には共生食堂を目指しています。会食後は保育士さんの団体が一緒に活動いただいています。午後5時30分から始めていますが、早い子どもは学校を終わった午後3時過ぎに来て走り回って遊んでいます。親御さんもここなら安心だということで、地域の方々に周知されてきたのかなと思っています。本当はもう少し回数を増やしたいところですが、細く長く続けていきたいと思っています。

地域に開放された地域交流スペース

1階の地域交流スペースと3階の会議室を、地域で活動している団体にご利用いただいています。使い方は地域の方で構成する委員会で決めています。70代、80代の方の利用が多く、体操や歌、ゲームなどいろいろな活動で使い勝手が良く、一つの部屋を一団体で使うので他の団体との相性を気にする必要がない点も好評です。障害を持った方の利用も増えてきています。施設利用者と職員も一緒に参加し、地域の方との交流の場になっている活動もあります。今後もいろいろな団体のご利用をお待ちしています。地域交流は地域の方との顔の見える関係づくりを目的としています。
広い窓に面した明るい地域交流スペース
広い窓に面した明るい地域交流スペース

障害のある方を支援する福祉事業

障害を持った方の福祉支援として、短期入所、生活介護、日中一時預かりの3事業が行われています。徳永係長に話をお聞きました。

短期入所(ショートステイ)

18歳以上の障害のある方を対象として、プライバシーの確保された個室が4部屋用意されています。利用率は95パーセントから100パーセントになり、緊急枠はありません。川崎市の方であればご利用いただけます。毎月1日から10日までに申し込みのご連絡をいただき、調整の上で通知をするという形を取らせていただいています。
こちらの生活介護を利用されている方の利用もあり、日中は生活介護で活動し、夕方から短期入所で宿泊いただいています。川崎区内の送迎がある事業所については、夕方に送迎でこちらに来ていただいて宿泊し、朝に送り迎えをしてもらうことを推奨しています。リラックスして宿泊いただけるように映画鑑賞や軽い運動なども提供させていただいています。なお、現在、医療行為が必要とされる方については受け入れができていませんが、ゆくゆくは医療行為が必要な方も受け入れたいと思っています。
健康維持とリラックスできる機械浴室もあります
健康維持とリラックスできる機械浴室もあります
日中活動(生活介護)

川崎区在住の18歳からおおむね65歳未満の障害のある方を対象にしています。朝こちらから送迎車でお迎えに行き、午後3時過ぎに送迎車でご自宅にお帰りいただくという形になっています。障害の程度と内容に応じてグループに分かれて、リハビリテーション、軽作業、自主製作などを行っていただいています。また、一部の医療を含むケアができるようにしています。活動のひとつとして、昨年の川崎市民まつりでは職員と一緒に作ったビーズのアクセサリーを販売しました。自分たちが作ったものを見てもらう、買ってもらうということを通して、達成感ややりがいを感じることができる活動を継続したいと思っています。また、月1回理学療法士、月2回小児科医と内科医にきていただき、健康にも配慮させてもらっています。
日中活動を行う活動室の一つ 介護・看護に配慮した設備を持つ
日中活動を行う活動室の一つ 介護・看護に配慮した設備を持つ
日中一時(日中一時預かり)

2歳から就学前のお子さんを対象に受入れを行っています。知的障害、自閉症等、診断を受けているお子さんもいますが、発達の遅れや集団生活を送ることに不安や課題のあるお子さんが多くを占めています。1日、10人以下の定員で午前9時から午後5時まで母子分離でお預かりしています。保育士1名と障害者支援の経験がある職員の計2~3名という体制を取っています。子どもたちの好きなこと、興味を見つけることができるような場所を用意し、楽しく充実した活動ができるようにしています。
安全に楽しく過ごすことができる日中一時預かりの部屋
安全に楽しく過ごすことができる日中一時預かりの部屋

地域社会における共生 ~地域包括ケア実現するための大切な理念~

日中活動で作っただるまやアクセサリーの数々
日中活動で作っただるまやアクセサリーの数々
「地域包括ケア」では、地域の実情に応じた声をかけ合えるような顔の見える関係と「介護・医療・予防・住まい・生活支援・福祉」などが切れ目なく一体的に提供される体制が求められています。それを実現するための大切な理念が障害のある方を含めた地域社会における住民・利用者の"共生"です。共生についてお話しをお聞きしました。

共生とはお互いを理解し合うこと

田中施設長 「言葉で共生と言うのは簡単ですけども、まずは理解し合うことが大切だと思います。その上でどういうことができるのかを考えるべきでしょう。相手を理解するためには信頼関係が必要で、それを欠けば何かがあったときに行動できず、かえって、人の暮らしにくさにつながっている部分もあるのではないかと思っています。もともと様々な人が暮らしている地域社会ですから、認め合うところからではないでしょうか」

実際を見ることで解決につながっていく

江良センター長 「昔はご家族の方が頑張っていて、障害者は外に出ちゃいけないのではないかという社会でした。今は皆さんの持っている力で社会の中で一緒に暮らしましょうという考えに変わりました。具体的にどうしたら生活できるのかということを、支援の方々とも一緒に考えながら進めていきたいと思っています。
 障害者の人権をどう守っていくか、いろいろなイベントがあるごとに伝えていけないといけないでしょう。施設を活用しながら実際の現場を見ていただくことも解決につながっていくのではないでしょうか。そういうことも意識しながら事業を展開していかなければいけないと思っています。地域の方の活動をここで行っていただくこともその手段の一つと捉えています。地域交流スペースを利用する一部の団体の方には障害のある方に接していただいています。今では一緒に活動することを楽しんでもらっています。障害のある利用者も皆さんがくるのを楽しみにしています。障害の有無に関わりなく一緒に生活できるように我々が少しでも努力していかなければいけないと思います」

事業を行う上での課題

皆さんの努力によりオープン2年目にして地域に視点を置いたすばらしい事業が行われています。しかし、それを維持継続するには、さらに課題に立ち向っていくことが求められます。事業を行う上での課題についてお聞きました。

架け橋の機能をもっと大きく

田中施設長 「ケアの専門職、地域の方々と一緒に考えコーディネートできる人材確保なども課題ですが、主人公となる当事者の方々がどう夢や希望を叶えていくのか、色々なコミュニケーションしながら広げていきたいと思っています。また、一つの事業所で全てを抱え込んで支援するというのはやはり困難があります。いろいろな支えをしてらっしゃる方々、警察や消防を含む行政機関、見守りを支援してくれる専門機関、民間の会社や地域住民の方々との包括的な連携体制はもっともっと必要です。地域の中で、これらの方々との架け橋の機能を大きくしていきたいと思っています。それが進めていきたい課題です」

ながく信頼される施設に

江良センター長 「色々な事業を思い描いていますが、地域の方々が求めているところと本来の方が参加する継続的な事業とは必ずしも一致しません。固定概念という枠を作りがちになるのですが、地域と一緒に揺れるようなスタンスを持って緩やかな発想で事業を考えて行かないといけないのかなと思っています。次のステップに上がっていくために、本質的な課題をどうやってリサーチしていくのか考えていかないといけない時期に来ているのかと思います。
また、障害の事業所は基本的に数が少なく、それに甘んじることなく選ばれる施設になることを考えていかないといけない。安心できる場所をつくり、利用者を受け入れしていくことで信頼関係をつくり、施設として熟成していきたいと思います。また、お子さんの場合は、学齢期になると対応するのは教育機関の先生だけになってしまいがちです。学齢期とその後もお付き合いをして、親御さんが愚痴を含めて話せるような信頼される場所になれればと思っています」
収穫を楽しみにしている「菜園」
収穫を楽しみにしている「菜園」
最初に施設を拝見したとき、ガラス張りを多用した明るく見通しの良い、人を呼び込むオープンな建物という印象を強く受けました。田中施設長からお話しをお聞きすると、「障害のある人に配慮し、活用する人にとって明るい、見通しの良い、をコンセプトに建物も設計された」ということでした。施設の法人としての方針が建物にも反映していることに感銘を受けました。また田中施設長は「スタッフも法人の方針を具体的に理解して意欲的で私自身も目標に向かって働けているのが幸せだ、スタッフに感謝している」とのことでした。江良センター長からは、「施設長が方針を出して旗を振ってくれるので、スタッフも安心して職務に励むことができる」というお話でした。トップの2人を含むスタッフの皆さんが互いに仕事のプロフェッショナルとして目標に向かってチームを組み、そのことがまた、地域や利用者の皆さんとの信頼と良い関係を築いていると感じました。
徳永係長を含む3人から、情熱のこもったお話しをお聞きしました。お忙しい中、お時間を頂戴でき、ありがとうございました。ますますの事業の発展を期待します。
第1回 たじま祭り
第1回 たじま祭り
第2回 たじま祭り 平成29年11月19日(日)
田島子ども文化センターと同時開催


かわさき障害者福祉施設たじまと田島こども文化センター2ヶ所を会場とした、地域の方々が参加できる楽しいお祭りです。
地域の皆さんのステージ、食べ物コーナー、就学前の小さな子どもたち向けの遊びのコーナー、車イスなど不自由な生活をしている方とご家族に向けた相談や展示コーナー、障害のある人が一生懸命作った作品展示もあります。地域福祉やボランティア活動に関する説明もあり、興味のある方はぜひいらしてください。

かわさき障害者福祉施設たじま
電話:044-276-9684
所在地:川崎市川崎区田島町20-10
http://kawasakiseifu.or.jp/ksfst/

地域包括ケアシステムが本格的に始まりました。
声をかけ合えるような顔の見える関係、地域の実情に応じた"つながり"の仕組みづくり「地域包括ケアシステム」の取組が昨年平成28年から本格的に始まりました。「介護・医療・予防・住まい・生活支援・福祉」などが切れ目なく一体的に提供される体制です。これを実現させるためには「自助」、「互助」、「共助」、「公助」による取組が必要です。地域包括ケアシステムの推進に向けて、「川崎区役所地域みまもり支援センター」も設置されました。子どもから高齢者まですべての地域住民を対象にした地域ケア、地域支援、地域連携を行う包括的な組織です。

詳しい内容はホームページなどでご確認ください。
川崎市地域包括ケアシステムポータル
https://www.kawasaki-chikea.jp/

2017/11/17