女性の働き方応援
女性向け再就職応援講演「自分らしい働き方を考える」
スキルアップ、自分自身の整理、そして最初の一歩を!
「結婚・出産・子育てをしながらも、ママ、一人ひとりの人生が、納得のいく選択でつながり、輝くように」というテーマのもと、すくらむ21で女性向け再就職応援講演会「自分らしい働き方を考える」が開催されました。
川崎市内の方を中心に26名の女性が参加し、講師の話に熱心に耳を傾けました。
「自分らしい働き方を考える」
2014年3月6日(木) 10:00~12:00
第1部 講演会
講師:株式会社キャリア・マム代表取締役 堤 香苗さん
第2部 パネル・ディスカッション
パネリスト:
堤 香苗さん(株式会社キャリア・マム代表取締役)
小岩直美さん(テンプスタッフキャリアコンサルティング株式会社)
福田直子さん(すくらむ21)
まずは主催者の川崎市から、経済労働局労働雇用部の川島達也部長が挨拶に立ちました。
「女性の就業支援に関して企業も努力をしています。男性も協力するように、女性が社会進出できるように、われわれも取り組んでいますが、まだまだ課題が多いと認識しています。
今日はみなさまにとって有意義なお話ではないかと思います。また我々も川崎市の施策として展開していけるように勉強していきたいと思います」
第1部 講演会(株式会社キャリア・マム代表取締役 堤 香苗さん)
話をするときは、相手と何が同じかを見つける
株式会社キャリア・マム代表取締役 堤 香苗さん
「“1分間同じところを探しゲーム”をしましょう!」と、堤さんの笑顔で講演が始まりました。
席がお隣りになったペアで、お互いの共通点を1分間で探します。みなさん積極的に対話をし、初対面の方同士でも、1分間で10個も見つけたペアがありました。
これは、「就職の面接をするときに役に立ちます」と堤さんは言います。
「相手が自分を気にかけて突っ込んでくれるポイントを探すとのこと。話をするときは、相手と何が同じかを見つけるスキルは大切で、それは就職のみならず、身近な対人関係にも役立ちます」
「変えられるのは“自分”と“未来”の2つだけ」
生活環境は人それぞれ。ワーク・ライフバランスを保つために、自分らしい働き方を選択することが大切だと堤さんは言います。
いったん職場から離れた女性が仕事を再開する上で、母として、または妻として、さまざまな壁にぶつかることがります。
例えば、仕事も家事も完璧にこなそうと一人で抱え込み、イライラしてしまう経験は、多くの方が経験することでしょう。
「自分だけで頑張りすぎないことです。“ねばならない星人”になってはいけません。家族を巻き込み、そして感謝しましょう。今日帰ったら、ちょっと甘えて頼って、そして“ありがとう”と言ってみてください。恐らく今までより数倍スムーズに事が進みます」
堤さんは「1日24時間というのは全ての人に同じ条件」と続けます。
「変えられるのは2つだけです。“自分”と“未来”です。“相手”と“過去”は変えられないのです」
また、子どもがストレスで情緒不安定なる経験をする方もいます。そんなときは、「例え子どもでもひとりの人間として対峙し、どうして自分があきらめたくないのか、どうして自分が頑張りたいのか、しっかりと対話してください。子どもはお母さんが大好きなので、応援してくれるはずです。そうやって周りになぜ働きたいのかを伝えることは大切です。そのためにも、自分自身によく問いかけましょう」
「夫を社会人の先輩として頼りましょう」
子どもだけではないですね。パートナーである夫の理解も大切です。「わがままや思いつきで現実から逃げたくて働くと思われないように、話し合いましょう。話を聞いてもらえないときには、手紙も有効ですよ。社会人の先輩として、仕事上のトラブルや悩みを相談し、頼りにして巻き込んでしまいましょう」
そして、ママ友達の輪から外れてしまったら、疎外感を感じて離れるのではなく、歩みよることが大切。「お手伝いできることならいつでも言って」と連絡先を交換してコミュニケーションがとれるようにしましょう。
最後に、「きちんと働かなくても、夢の実現じゃなくてもいいんですね。アルバイトをかじってみてください。うまくいかなければまた次がんばればいい。“また怒られちゃった”と笑顔で言っていれば、あなたの応援団は増えていきます。今日この講演会に来た気持ちを大切に、何か始めてみてください。働き方によっては働くことはできますよ」と来場者へのエールが送られました。
第2部 パネル・ディスカッション(堤香苗さん、小岩直美さん、福田直子さん)
続けて、パネル・ディスカッションが行われました。
登壇したのは、子育てしながら働いている堤香苗さん、小岩直美さん、福田直子さん3名です。
「これまでの経歴について」「働きながらの子育てについて」「再就職を目指す方へのメッセージ」について、ご自身の経験をもとに三者三様のお話が飛び出しました。
※パネリストのプロフィールは、このページの最下段をご覧ください。
「自分の“初めて”を大切に、能動的に仕事を待って」堤 香苗さん
「いま経営者という立場になって思うのですが、経営者側が思っているよりも、当人は「迷惑」をかけることを気にするものです。迷惑をかけることは悪いことでしょうか? その代わりに地域社会が助かることはたくさんあります。
上の子は1歳児、下は0歳児で保育園に入れました。入所に際しては、選択肢となる保育園は全部見ました。ハードな預け方になったときに、納得したところじゃないと預けられないからです。
働いていないときにあるのは時間、ないのはお金です。いま働いていないとしたら、能動的に仕事を待ってください。自分の“初めて”を大切に、小さいことでもいいので、昨日やってなかったことを今日やってみてください。例えば、手紙に今日よかったことを1行書いてみましょう。できなかった事をくよくよするより、今日できた小さな達成感を大事にしていくと、再就職への意欲もわいてくると思います」
「しっかりとしたコミュニケーションで味方を作る」小岩 直美さん
「私は幼稚園に預けていました。延長保育のある園だったので、それを利用しました。そして母やまわりのお母さんたちに助けられました。自分が子どもを預かることもあれば、友人に預けることもありました。しっかりとコミュニケーションをとって、味方を作っておくことが大事だと思います。
自分を振り返ってみて、時間の使い方を整理して、その中で自分のやりたいことを進めていくといいと思います。気になったことがあるとき調べてみるというように、小さな一歩を踏み出すことです。もしそれが違えば、時期をかえればいいのです。自分自身の環境整理をして、動いてみたことから今の私があると思います」
「自分の棚卸しをすることで再就職につなげる」福田 直子さん
「私は、正社員、アルバイト、業務委託、フリーランスと、ライフスタイルの変化に伴い働き方を変えてきました。夫の転勤時に、待機児童問題に直面したことも働き方を考えるきっかけになりました。3人の子どもたちが皆同じ保育園ではなかったことや、子どもの入院により仕事とのバランスの取り方など、これまで大変なことはたくさんありました。保育園時代だけではなく、小学生になったときも環境の変化でそれなりに苦労しました。仕事が忙しく帰宅の遅い夫は、なかなか平日家事育児に携わる時間がありませんが、週末の料理は夫の担当などと、時間のとれる休日に家事分担して協力しあっています。働き方を変える中で、時間に余裕のある時期もありましたが、私はその間、仕事の幅を広げようとWEBスクールへ通い勉強していました。スキルアップの他にも、例えばこうした再就職セミナーに参加したり、自身の経験を整理し、強みや弱みを明確にするなど棚卸しをしてみることも、再就職への準備期間にできることとして効果的だと思います」
参加者のアンケートから
参加者のアンケートから、講演会の感想をご紹介します。
「自分が再就職をするにあたり、時間のやりくり、育児の負担、家事などをどう調整するか悩み、迷いになっていましたが、自分が頑張りすぎなくてもいいのだと肩の荷が下りました。と同時に、周囲への感謝も忘れないように心がけたいです」
「とても参考になりました。子育てをしながらの働き方は多様で、フルタイムにこだわらず、自分の環境に合った働き方、目標をもって頑張りたいです」
「家事と育児に追われて、それだけになってしまっている自分に、変わろうと思えるきっかけをいただけました。輝いている方は、自ら行動を起こす方だと再認識しました」
「再就職に際して背中を押していただける内容になっており、とても貴重な時間でした。首位の方に頼ることも大切だと感じました」
「働くことに尻込みしていました。お話を聞いて、いろいろな働き方があって、少し勇気とやる気が出てきました」
案じてばかりいても始まりません。自分の環境に合わせてまずは最初の一歩を踏み出す…その勇気が伝わってくるセミナーでした。
川崎市就業支援室
「キャリアサポートかわさき」では、求人情報の提供や各種相談・セミナーなどを行っています。てくのかわさき5階、または川崎区役所・麻生区役所の相談室をご利用ください。
また、この川崎市就業支援ポータルサイト
「JOB-L」でも求人情報を発信していますので、ご活用ください。
パネリスト Profile
■堤 香苗さん(株式会社キャリア・マム代表取締役)
10才と20才の子供を持つ2児の母。大学在学中からフリーアナウンサーとして活躍。平成6年に出産し、子育てをしながら平成7年に育児サークル「PAO」(キャリア・マム前身)を設立。平成12年に株式会社キャリア・マムの代表取締役に就任。以降、女性、特に子育て中の女性たちのキャリア・アップや働き方をテーマをとした講演や執筆、インターネットメディアのコーディネーターとして幅広く活動。
株式会社キャリア・マム ホームページ https://www.c-mam.co.jp/
■小岩直美さん(テンプスタッフキャリアコンサルティング株式会社)
20才の子どもを持つ1児の母。出産を機に退職。子育て期間中に医療事務の資格を勉強し取得。同時期に介護も経験。専業主婦を経て病院事務や契約社員勤務など、子どもの成長に合わせて仕事を選択。平成21年にテンプスタッフキャリアコンサルティング株式会社にパートタイムで入社。働きながらキャリア・コンサルティング技能士などの資格を勉強し取得。パートタイム、契約社員を経て、平成23年から正社員となりフルタイムで勤務。ご自身の経験を活かし、女性向け就職相談業務にも携わる。
■福田直子さん(すくらむ21)
8才と5才、2才の子供を持つ3児の母。 平成18年に出産を機に一度退職し、1年半後に復職。第二子出産時は育児休暇を取得。育休中に夫の転勤により、大阪から東京へ転居。平成21年から就業形態を業務委託に変更とともにフリーランスとして起業。在宅でチラシや販促ツールなどの制作関連の仕事をし、同時にWEBのスキルを習得して仕事の幅を広げる。平成24年からすくらむ21で勤務。時短で週3日のパートタイム勤務を経て、現在は週5日のパートタイム勤務。
女性向け再就職応援講演「自分らしい働き方を考える」
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